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「世界一流エンジニアの思考法」を読んだ

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世界一流エンジニアの思考法 を読みました。

ハイパフォーマンスを維持している人たちの根幹には何があるのか。そのヒントがまとまっている、かつ日々の行動を見直すきっかけを与えてくれる良書だと感じたので、自分へのメモも兼ねてここに感想を記しておこうと思います。

ざっくり感想

本書を読み、個人の解釈と織り交ぜて思ったことをざっくり4つのポイントにまとめました。

  • 「メンタルモデル」 を早期に築くと中長期的にパフォーマンスが上がる
  • 「フォーカス」 とはやらないことを決めることである
  • 「関係の質」 を高めることで好循環が始まる
  • 「自己管理」 で人生の質を高める

こう書くとあっさりしているし当たり前のことのようにも感じるんですが、それぞれ結構奥が深いよな〜と感じる今日この頃です。

以降で、それぞれもう少し掘り下げます。

メンタルモデル

何か新しい概念やスキルを学ぶにあたって、多少時間を要するとしても、まず「メンタルモデル」を頭の中に作ることを優先すると長期的にパフォーマンスが上がる、という話は本当にその通りだと思います。

自分もプログラミングを学び始めたころは、よく理解していないまま Qiita やブログ記事、StackOverflow を参照しながらコードを書いていました。そういうステップは初期には必要だなと思いつつ、学習を効率的に進めるには、やはり 基礎の理解に時間をかける ことが重要です。これはすべてを理解するというよりは、 わからないことがわからない状態をいち早く脱すること だと考えています。

基本的な構造を理解するのですら結構な労力を必要とします。しかしもがきながら理解をしようと根気よく向き合っていると、気付くと頭の中に自分なりの「構造」ができている感覚を得ます。これが自分の感じる「メンタルモデル」です。

メンタルモデルは十人十色だと思います。みな各々の構造を頭の中に持っている。そして、その構造のすべてを他人に教えることはなかなか難しい。ある程度時間をかけて獲得する努力が必要です。

また、基礎の理解に時間をかけるといっても、すべて基礎的な項目から学ばないといけないというわけではないと思っています。実現したいことにまず取り組んでみて、足りない知識やスキルを把握したら、一歩引いてその領域の構造の理解をする。ある種「3歩進んで2歩下がる」的なバランス感覚が重要かなと思います。

フォーカス

「フォーカスする」という言葉が意味するのは、

  • 最も重要なことだけに取り組むことであり
  • やることを減らすことであり
  • やらないことを決めることであり
  • あらゆることに「ノー」と言うことである

なんだろうと思います。

フォーカスすることに関しては、"エッセンシャル思考 (原著: Essentialism)" がおすすめです。ここにフォーカスに関するノウハウが詰まっていますので、ぜひ。

また、メンタルモデルを構築していることは「何にフォーカスするか」を判断するうえで非常に役立ちます。なぜなら、全体像を把握した上で「やるべきこと」「やらないこと」を判断できるようになるからです。

とはいえフォーカスするのって難しい。上手にできるようになりたいものです。

関係の質

本書で出てくる、「フィードバックを歓迎する」であったり、「クイックコールをする」であったり、「意見が対立しても否定しない」という話の根底にあるのは、やはりチームメンバー間の「関係の質」に磨きをかけることだろうなと感じました。

「関係の質」とは、Daniel Kim が提唱した 「成功循環モデル (A core theory of success)」 の考え方を説明する際によく出てくる言葉です。要は、チームメンバーがお互いにどれくらいリスペクトを持って信頼できる関係を構築できているか、ということです。

お互いに信頼できていれば、自然とフィードバックを歓迎するようになるし、クイックコールだってするし、意見が対立しても平気なんですよね。

しかし、言うは易く行うは難し。相互的にリスペクトを持って接することは意外と難しい。

このあたりの信頼関係の話は、"あなたのチームは、機能してますか? (原著: The Five Dysfunctions of a Team)" が名著です。

自己管理

自己管理を通して「自分を前に進めている感覚」を持つことは大事だなと改めて思いました。要は 自分の人生で少しでも進捗を出し続ける ということですね。

下記のようなことに取り組むことで、自分の中で"進捗"を出している感覚を得ることができ、日々のモチベーションの源泉の1つになります。

  • 興味のあることを学習して知識を獲得する
  • PKM (Personal Knowledge Management) を通じて情報を整理する
  • トレーニングして体力や筋力増やす
  • etc...

上記のような活動は、一朝一夕に成果を得られるものではなく、継続して習慣化していくことで複利的にその成果を実感できるようになるんだろうと思います。

Bottom Line

「世界一流エンジニアの思考法」を読んで感じた、自分なりの解釈を以下の4つのポイントにまとめてつらつら述べました。

  • メンタルモデル
  • フォーカス
  • 関係の質
  • 自己管理

自分がすべてできているとは全く思っていないです。これからも日々精進していくのみです。

「世界一流エンジニアの思考法」、日々の行動を改めて見直すきっかけを与えてくれる素晴らしい本でした。新人エンジニアの方にも、ちょっと停滞感を感じている手練のエンジニアの方にもおすすめできる本です。


余談ですが、たまたま見かけた Y Combinator の "Startup Experts Reveal Their Top Productivity Advice" という動画でも「生産性」についていろいろな Tips が取り上げられていて参考になりました。

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